神様からの預かった言葉

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天国で、神様が天使にお遣いを頼みました。


地上にいて、苦しんでいる人間たちにこの言葉を伝えなさい。
彼らを苦しみから救うだろう。


天使は、なんて素晴らしいお仕事なんだろう！
多くの苦しむ人たちを救える言葉を預かることができるなんて。

早くみんなに伝えたい！


一つだけ、注意を言われます。
地上では、人も天使も悪魔も見た目がわからないから、あなたが天使だということは、ぱっと見ではわかってもらえないということ。



はいはい、大丈夫！
見た目でわからなくても、救いの言葉をもってるんだもん。
この言葉さえあれば、怖いものなんてない！


使命に燃えて、ワクワク地上におります。



地上におりると、
会社で理不尽なことばかり言われながらも、家族のために働く男性に会いました。
辛くて毎日が、苦痛ですと嘆いています。



天使は救う人を見つけて、大喜びでその人に神様の言葉を伝えます。



よし！これで、この人も幸せになれる！




その言葉を聞いた男性は、みるみる表情を変えました。




「ふざけんな！そんなことできるわけないだろ！」



ものすごい剣幕で怒り始めました。


天使にはなんで彼が怒ってるのかわかりません。
神様からの言葉を確かに伝えたのに。
幸せになって欲しかったのに。

悲しくなって、なにがいけなかったのか考えます。
でも、さっぱりわかりません。



よし、ほかの人に伝えよう！



他の人ならわかってくれるだろう。



受験勉強に疲れた子供と出会いました。
子どもならわかってくれるはず！
今度こそ！


天使は神様からの言葉をその子に授けます。


するとその子は




「そんなことしたら、ママにきらわれちゃう。できないよ。なんでそんなこと言うの？」



と、泣き始めてしまいました。



天使は、どうしたらいいのかわかりません。




次こそは！と、たくさんの人に伝えてみました。



でも、みんな怒ったり、悲しんだり、馬鹿にしたり、挙げ句の果ては、そんなこと言うお前は悪魔だ！と、罵られてしまいました。



だんだん、天使も神様からのことばを、そして自分が天使であることを疑いはじめてきました。


口を噤んで話さなくなりました。



早く天国に帰りたいと毎日思うようになりました。


なんで、こんなに辛いんだろう。



そこで、はたと気づきました。


そっか！
神様からのことばを、自分がすればいいのか！
自分は実行できてなかった。



それからは、天使はひたすら神様の言葉を実行しはじめます。天使はどんどん幸せになりました。







神様から預かった言葉は








頑張らなくていいんだよ




でした。